10月になると、どこからともなくトーントーンと太鼓の音が聞こえてきます。お祭りの練習の始まりです。今年も晴天に恵まれた日が多く、色んな地域でお祭りが開催されたのではないでしょうか。
地域によって、いろんなお祭りのスタイルがありますが、友人のお誘いで日程が合えば見に行っている大好きなお祭りをご紹介します。
その地域は、獅子舞が有名です。
見た目は、怖そうですね・・・この獅子舞の前で写真を撮ろうとしていた親子連れの皆さんがいらっしゃいました。
小さな僕が「怖い・・・怖い・・」と逃げ回る様子を見ていると、我が家の子供たちが小さかった頃を懐かしく思い出しました。お父さんに抱っこされ顔を伏せて、泣きながら、「あっち行こう!こわい・・・」とて言っていたな・・・。今では、すっかり大きくなり親子で出掛けることも、すっかり少なくなり、今年はお父さんと二人で友人宅にお邪魔することになりました。
この地域の獅子舞は、二人立の獅子舞です。二人以上の演者が一匹の獅子を演じるスタイルで、前足、尻尾と後足をそれぞれ二人で担当し、その上にもう一人の人が頭を担当します。この形はアクロバティックな動きが特徴で、それぞれ動きに個性があり目が離せません。
獅子舞の起源
獅子舞は、日本の伝統芸能の一つであり、その起源は古代インドにさかのぼるそうです。獅子舞は、インドでライオンが神聖視され、宗教行事として舞われていたことが始まりとされています。特に、紀元前3世紀にアショカ王が仏教を広めるために建設した石柱には、ライオンが彫られており、これが獅子の象徴としての役割を果たしました。このライオンは、仏教において威厳を表す存在とされたそうです。
その後、獅子舞はシルクロードを経て中国に伝わり、中国では仮面舞踊として発展しました。紀元前2世紀には漢の武帝が宮殿でライオンを飼っていた記録もあり、中国で獅子舞が定着したことが確認されているそうです。
獅子舞 日本にいつ伝わったの?
日本には612年頃、百済から帰化した味摩之(みまし)という人物によって獅子舞が伝えられたとされています。味摩之(みまし)は伎楽(ぎがく)という仮面劇を日本に持ち込み、その中で獅子舞が演じられるようになりました。この時期、日本では仏教が広まりつつあり、獅子舞もその一環として普及していきたそうです。
また、752年には東大寺大仏の開眼供養で獅子が登場する劇が上演され、多くの人々に感動を与えたことから、全国各地に広まるきっかけとなりました。江戸時代には伊勢太神楽という芸能集団によって、獅子舞はさらに多くの地域で演じられるようになり、現在では数千種類もの獅子舞が存在すると言われています。
このように、獅子舞はインドから中国、日本へと伝わる過程で、それぞれの文化や宗教的背景と結びつきながら発展してきました。特に厄払いの意味合いを持ち、お正月や祭りなど縁起の良い日に演じられることが多いです。
獅子舞のご利益
獅子舞は、悪霊を払い、幸運をもたらすとされる伝統的な舞踊です。
獅子が人の頭を噛むことで、その人についた邪気を払うと信じられており、特に子供には厄除けや学力向上、無病息災のご利益があるとされています。怖がっているお子さんには、ぜひお父さんお母さんと手をつないで獅子舞をそばで見ていただきたいです。
そして50代の私たち世代はもとより、皆さんの無病息災を祈りながら獅子舞を楽しみたいですね。